[新型コロナ対策に期待]緑茶の「ウイルス感染を防ぐ」効果、静岡県茶業会議所出版物に掲載 ※追記あり
この記事の目次
コロナ禍で怪しい情報に惑わされないように
新型肺炎・新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)が世界中で猛威をふるい、不安に感じている方が多いと思います。
冷静になって有効な対策をとるには、正しい知識を得ることが重要です。
現時点で、新型コロナウイルスに感染した場合に効果が期待できるものは、
いくつかの既存薬、研究開発中のワクチン・治療薬だけです。
健康食品や栄養剤、お茶を含むすべての飲食物は、新型コロナウイルスを含めて
「病気を予防する、治療する」といった表示を認められていません。
「○○を食べるとコロナが治る」、「○○を飲み続ければコロナに感染しない」
等と標ぼうをする食品・食材、健康器具の類は全て誤った情報ですので気を付けましょう。
茶学術研究会によるお茶の効能についての研究結果
茶学術研究会の研究結果をまとめ、2012年に公益社団法人 静岡県茶業会議所が出版した
「知らなきゃソンするお茶のこと 10のひみつ お茶の効用を科学する(最新版)」(PDF 1.80MB)に、
お茶は理想的な機能性食品として、
抗がん、抗肥満、抗酸化、抗アレルギー、ストレス緩和、
抗菌、脳卒中予防、血圧上昇抑制、動脈硬化予防、等といった様々な健康効果が掲載されています。
こちらの資料は静岡県立大学や(独)農研機構などの研究者によって発表・編集されたものです。
13~15ページには、緑茶のウイルスに対する有効性が記述されています。
簡潔にまとめると、
- 緑茶に含まれる成分、エピガロカテキンガレート(EGCG)やストリクチニンがウイルスに作用し、緑茶の飲用、緑茶でのうがいはインフルエンザ予防などに役立つ。
- 緑茶に含まれる成分、エピガロカテキン(EGC)は粘膜免疫系の働きを良くし、病原体の侵入を防ぐ効果がある。
ここで注意したいのが、エピガロカテキン(EGC)の働きは、エピガロカテキンガレート(EGCG)によって弱められてしまうことです。
お湯で緑茶を淹れるとEGCGが浸出しやすくなるため、EGCの効果が弱まってしまいます。
冷水で緑茶を淹れる(水出し緑茶)と、浸出液中のEGCGが少なくなり、EGCの効果が発揮されやすくなります。
エピガロカテキンガレート、エピガロカテキンどちらもウイルス感染予防に役立つ茶カテキンですが、
それぞれの効能を得るには、別々の淹れ方をして飲むことが良さそうです。
出典元HP:公益財団法人 静岡県茶業会議所
新型コロナウイルスに対して緑茶・カテキンの研究が進んでいます。
茶産地・静岡県、京都府などでは、それぞれで感染予防や抑える効果を調べる研究が始まりました。
茶業界では大きな期待が集まっています。
【食料新聞】『お茶がコロナを迅速・効果的に不活化』京都府立医大の教授が指摘
お茶に含まれるカテキンが新型コロナウイルスを迅速かつ効果的に不活化する作用があると、京都府立医科大学の松田修教授が15日発表した。
これは試験管試験での推察による発表に基づくもの。松田教授は現在臨床試験も進めており、今後、臨床試験を経た論文も発表される見通し。
冒頭の発表は、京都府宇治市で開かれた「緑茶と健康シンポジウム」のパネルディスカッションによるもの。
松田教授は、論文査読中であるが「茶葉に含まれているカテキンが新型コロナを抑制するということがわかった」と述べ、お茶の飲用の可能性については「もし多くの人が飲めばヒト集団全体としての感染拡大が抑制される可能性がある。公衆衛生的な使われ方になる」との見方を示した。
パネルディスカッションは「緑茶の新型コロナウイルスに対する効果について」と題し、ウイルスとお茶の権威がパネリストとして参加。
京都大学の三浦智行ウイルス・再生医科学研究所准教授は、緑茶抽出物やカテキン類の新型コロナ抑制効果について、論文発表前であることを前置きした上で「ある程度の抑制効果があるのは間違いない」と語った。
引用元:
https://shokuhin.net/42495/2021/04/16/sonota/%E9%98%B2%E7%81%BD/
【産経新聞】お茶で新型コロナ無害化 1分で最大99% 奈良県立医大(
奈良県立医科大学(同県橿原市)は27日、新型コロナウイルスが市販のお茶によって無害化する効果を確認したと発表した。基礎研究段階で人での効果は未確認だが、試験管内でウイルスが1分間お茶に触れることで最大99%が感染力を失っており、感染対策の一つとして期待。商品により効果に差があり、メーカーの許可を得て商品名の公表を検討するとしている。
実験は同大の矢野寿一教授(微生物感染症学)の研究チームが実施した。実験ではペットボトル入りの緑茶や紅茶など約10商品を使用。試験管内でウイルスとお茶を混ぜ、経過時間ごとの感染力を持ったウイルスの量を検査した。
最も効果が高かったのは茶葉から淹(い)れた紅茶で、感染力のあるウイルスは1分間で100分の1、10分間で千分の1以下にまで減少した。矢野教授は、人への効果について「可能性の段階」とした上で、「インフルエンザでカテキンの効果は確認されており、お茶を飲むことで同じような効果が期待される」と話した。
引用元:
https://www.sankei.com/west/news/201127/wst2011270045-n1.html
【静岡新聞】対コロナ 緑茶効能、研究に着手 静岡県、議会答弁(2020/7/2 07:06)
静岡県議会6月定例会は1日、自民改革会議の増田享大氏(掛川市)、ふじのくに県民クラブの四本康久氏(富士宮市)、自民改革会議の中谷多加二氏(浜松市天竜区)が一般質問を行った。
志村信明農林水産担当部長は、緑茶に新型コロナウイルスの感染を抑える効能があるかを調べる研究に着手したと明らかにし「本年度中をめどに感染阻害効果とそのメカニズムを明らかにする」と述べた。増田氏への答弁。
県お茶振興課によると、緑茶は県立大の研究でインフルエンザウイルスの感染予防効果が確認されている。新型コロナウイルスに対しては、茶の研究実績が豊富な県立大教授ら専門家が参画し、県環境衛生科学研究所で5月から、培養細胞を使って感染抑制効果を確かめる研究に取り組んでいるという。県茶業研究センターがカテキンなど茶の成分の提供や分析を担う。
志村部長は研究成果が出た時点で学術専門誌に論文を投稿すると表明し「科学的エビデンス(根拠)を有する正確な情報として、県民や茶業関係者に情報発信する」と強調した。海外に向けても、県立大と連携協定を結んでいるカリフォルニア州立大デービス校で研究成果を発表する予定だと説明し「効能を広く伝えて静岡茶の需要拡大を図り、本県茶業を再生する」と意欲を示した。
引用元:
https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/781768.html
【京都新聞】茶カテキンはコロナ予防に効くのか? 京大・京都府が研究タッグ、20年度内に結果公表(
新型コロナウイルス感染症対策で、京都府は17日、京都大と共同で、茶に含まれるカテキン類の感染防止効果を確かめる研究を進めていることを明らかにした。宇治茶の健康機能を広くPRして需要を拡大する狙いもあり、本年度内をめどに研究結果を公表する。この日の府議会代表質問で西脇隆俊知事が答弁した。
カテキン類は茶の渋みや苦味の主成分。抗ウイルスや免疫力向上、疲労回復などさまざまな効能があることに着目し、新型コロナウイルス予防への有効性を検証しようと府茶業研究所(宇治市)と京大ウイルス・再生医科学研究所付属感染症モデル研究センター(京都市左京区)が5月、共同研究に着手したという。
これまでにコロナウイルスが細胞に侵入することを防ぐ効果について、試験管内で測定する手法を確立したという。今後はこの手法を用いて、細分化した成分や煎茶、玉露といった茶種ごとの効果を詳しく調べ、コロナに有効か確認する。
引用元:
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/360277
まとめ
新型コロナウイルスに対して、緑茶の成分に有効性があるとはまだ言えません。
ですがマスクや手洗いなどの感染予防対策と共に、緑茶で免疫力を高めてウイルスに負けない身体作りに役立てていただき、また美味しい緑茶を飲んで、少しでも心安らぐひと時を過ごしていただけたら幸いです。
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