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京都府立医科大学「茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認」

2021.06.17 お茶の成分・健康効果健康に関する話題

【論文掲載】茶カテキン類による新型コロナウイルス不活化効果を試験管内の実験で確認(京都府立医科大学と伊藤園の共同研究)

京都府立医科大学:HOME

京都府立医科大学は、新型コロナウイルス感染者の唾液中のウイルスを不活化(無害化)できれば、飛沫感染の抑制に効果的であると考察し、食品成分によるウイルス抑制の研究・試験を開始。

その結果、お茶に含まれるカテキン類(茶カテキン類)がウイルスを不活化する(感染能力を失わせる)ことを発見したと、6月15日に発表しました。

茶カテキンによって、口内にあるウイルスの感染能力を抑える効果が期待できるそうです。

 

 

以下、研究概要です。

 

【研究概要】

 京都府立医科大学(学長:竹中 洋 所在地:京都府上京区)大学院医学研究科 免疫学 松田修教授らの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2 以下 ウイルス)感染症の拡大が続く中、感染者の唾液中のウイルスを不活化できれば飛沫を通じた感染の抑制に効果的であろうと考え、食品成分によるウイルス抑制の研究・試験を開始しました。
その結果、お茶に含まれるカテキン類(※1)(以下 茶カテキン類)がウイルスを不活化する(感染能力を失わせる)ことを見出し、その後株式会社伊藤園(社長:本庄大介本社:東京都渋谷区)中央研究所との共同研究を開始しました。
 その結果、茶カテキン類がウイルスのスパイクたんぱくに結合し、細胞への感染能力を低下させる効果などを確認しました。また、試験管内でヒト唾液中に加えたウイルスに対しても、茶カテキン類による迅速かつ効果的な不活化がみとめられました。これらの結果を報告した2報の論文が、この度6月8日(火)および11日(金)にそれぞれ、「Pathogens」と「Molecules」(※2)に掲載されましたのでお知らせします。
 茶カテキン類は、茶類に高濃度に含まれます。しかし茶類を経口摂取しても血液中への移行は少なく、特に重合したカテキン類はほとんど吸収されません。そこでお茶を飲んでも、消化管から吸収されたカテキン類が全身的に作用する効果は期待しにくいと考えられます。
一方で、お茶を口中に含んだ時に、口腔内で唾液中のウイルスが茶カテキン類によって不活化される効果は期待できると考えられます。それゆえ、多くの人がお茶を飲めば、唾液中のウイルスが不活化されることによって飛沫感染が減少し、人集団全体としてはウイルスの感染拡大を減弱させられる可能性は考えられます。
たとえば飲食店などで、マスクを外したら会話する前にまずお茶を含み飲みする(10秒間程度口腔内全体にお茶を行き渡らせてから飲む)、といった行動を多くの人がとれば、症状のない感染者から周りの人への感染が減らせるかもしれません。つまり、お互いに他人のためにお茶を飲むという、「公衆衛生的な」使い方は有効な可能性があります。
 現状ではあくまで可能性であり、患者さんにご協力をいただいてヒトでの試験を行わなければ、試験管内の実験だけでははっきりしたことは言えません。現在、感染者がお茶を飲むと口腔内でお茶がウイルスにどのように影響するかについて検証する臨床研究を行っています。今後引き続き研究に取り組んでいく予定です。
 なお、今回の論文で使用した新型コロナウイルスは変異型ではないウイルスであり、B.1.1.7型(イギリス型)やP1型(ブラジル型)変異ウイルスにおける効果を検証したものではありません。EGCGはブラジル型には効果があるがイギリス型の一部には効果が低いという結果を得ていますが、これらについては現在研究を進めており、論文発表に向けて準備を進めています。
(※1)お茶に含まれる茶カテキン類
「エピガロカテキンガレート(EGCG)」「テアフラビン3、3′-O-ジガレート(TFDG)」などのほか、カテキン誘導体の「テアシネンシンA(TSA)」などのこと。
詳しくは下記リンク先をご覧ください。
京都府立医科大学

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